エストーラ

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「って言うのが黒帝と戦うことになった理由よ…」 「言われて思い出した…何で思い出せなかった?」 「貴方は七竜のうち最も酷い死にかたをしたから…」 その時の事を思い出したのだろう、レシェルの顔は青ざめていた。 「そこら辺は覚えてないなぁ…」 「思い出さない方が良いわ…あんなおぞましい…ううん、何でもないわ」 レシェルはこめかみ辺りを片手で揉む仕草をする。 「で…リュートはどうしたの?一緒じゃないの?」 「え?」 「え?って…リュートの気配もしたからここで待ってたのに…」 そんなこと言われても、リュートとはまだ出会って無い… 「氷帝とはまだ出会えて無いんです…気配もすぐに消えてしまいましたし…」 そう言って今までの事をリエナがレシェルに話す…俺の事についても… 「確かに、リエナの言う通りね…無理に力を引き出し過ぎると、身体に負担がかかるわ…」 少し考えて「一か八か…」と呟いた。 「ライア、此方に来なさい」 「はあ…」 言われるまま、レシェルの元へ行く。 「じっとしてて!」 「わかった」 彼女は俺の額に手を当ててブツブツと呪文を唱えた。 「ライア…何があっても力を制御なさい?」 「良くわからんが…わかった」 レシェルが額から手を離した途端、体の中から物凄い力が溢れてきた。 「ぐっ…うぐ…」 無我夢中で力を引き出した時とは違う…身体中の骨が軋む… 「レシェル…まさか…」 「彼の中に眠ってる力を無理やり呼び起こした…本当はやりたくなかったけど、そんなことを言ってる場合じゃないからね…」 「ぐぅっ…」 力の強さに大分慣れて来たものの、暴れ馬みたいに力が体の中で暴れまわる。 「もう…少し…」 時間で言うと五分位だろうか?何とか力を押さえるのに成功した。
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