新しい日常

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店長とは、そこで会話が途切れてしまう 店長は、店長専用の椅子に深く座ると背凭れに凭れて、深い吐息をついた 一度宙を仰いでから、私に視線を向けるとじっと見つめてくる ……そろそろ、『告白』の返事をしなきゃ でも、こういうのは今までなかったから、すごく緊張する “答え”は決まっているけれど、その“答え”を言った後にどうなるか分からない だけど、言わないといけない ちょうど、まさに今がそのタイミングで、私はその途端に出て来た緊張感に身を固くする 深呼吸を一度して息を整えてから、口を開いた 「椎奈、俺さ、本当にお前の事が好きなんだよ」 口を開きかけて、唐突に店長に『告白』されてタイミングを逃した私は息を呑むのと同時に口を閉じた
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