新しい日常

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「いった!」 河原さんは顔を歪ませて、ガンッと鈍い音が立つくらい強くドアがぶつかった後頭部を触る 「大丈夫ですか?」 「あ、うん……。めちゃくちゃ痛いけど」 涙目で河原さんが後頭部をおさえていると店長が入ってきて、痛がる河原さんに目を細める 「なんだ、居たのか。退いとけよ。邪魔だな」 「つ、冷たい!椎奈はすぐに心配してくれたのに、何すか店長のその冷たさは。それでも店長すか」 心配する気は毛頭無い様子の店長に、河原さんがブーイングする ……痛いかもしれないけれど、元気そうで良かった 私は苦笑いを浮かべて、ロッカーの鍵を閉めた 「うるせえ。店長なんだよ、これでもな。どうせ、誰かの悪口かなんかでも言ってたんだろ。バチが当たったんだよ、バチが」 「えっ、なんで俺が、今日みたく途中で上がるんじゃなくいっそのこと、毎日渡辺が居なきゃいいって言ってたって分かるんすか。こっわ……」 「マジで言ってたのかよ、そんなこと。そりゃ、バチ当たるわな。なんせ、渡辺の念は強いからな」 「近くに居なくても効力ある念って、怖すぎっすわ!怨霊化してんじゃん」 河原さんは、わざとらしく腕を抱いて悪寒を感じる素ぶりをする 「おいおい、それ以上言うとまたバチ当たるぞ?それも、頭にドアぶつける以上のな」
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