新しい日常

3/297
前へ
/417ページ
次へ
それで私は、週6日のシフトを4日に減らして、勤務時間も半日とかに減らして働いた 特別扱いは受け入れられないタチなので、その分給与は減ったけれど でも、生活するのに苦しいほどではない 私のことを好きだと言った店長は、あれから恭介さんのことを一切口に出さなかった クリスマスの仕事終わりに、前から約束していた店長と河原さんと三人で近くの遅くまでやっているイタリアンに行った その帰りに、店長とタクシーに乗っている時に店長が不意にこう言った 『椎奈、なんかこういう時に言うのも隙につけ込むみてえだけど、俺まだ、お前のこと好きだから。“あいつ”のこと忘れろって言わねえけど、でも本気でお前のこと好きな奴がいるってこと、覚えておいてほしい』 店長は、私を真っ直ぐに見つめながら二度目の告白をした 店長の私に対するそういう気持ちは、本当なのだろうか…… 告白の返事は急かさないという店長に、未だに私は返事をしていない
/417ページ

最初のコメントを投稿しよう!

381人が本棚に入れています
本棚に追加