見つけた写真に写るもの

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見つけた写真に写るもの

 私は学校から帰ってきてリビングにいた母に声を掛けた。 「ただいま!ねぇねぇ、お母さん!」  落ち着きのない私の呼びかけに母は少し驚いたような顔で私の方を振り返る。 「おかえりなさい。どうしたの?」 「私のアルバムってどこにある?」  普段からアルバムにはあまり触らない私の突然の言葉に母は少し動揺した様子で場所を伝えた。 「えっと……和室の押し入れあるけど、何に使うの?」 「明日の講義で使うらしいの。じゃあ借りてくね!」  去り際にありがとうと言って私は一階にある和室へと走っていく。襖を開け、鞄をちゃぶ台の上に置いて押し入れを開ける。いくつかの段ボールが積まれた中に張り紙で私の名前が書かれた段ボールを見つける。 「これかな」  すぐに開けられるようにその段ボールの上にはないもなかった為、私はそのまま段ボールを開けて、中からアルバムを取り出す。開いて確認すると、私が生まれてから大学に進学するまでの写真がアルバムに綴じられていた。 「大学は最近だけど中学の写真は懐かしいな……」  アルバムを大学から順番に過去の私に戻っていく。逆から見ている事はわかっているがこういった見方も面白い。小学生、幼稚園と戻っていき、まだ私の記憶がない時の写真まで来ると、私は一つの写真で首を傾げた。 「この人たち……誰だろう」  布団で寝ている幼い私の横で笑顔を向ける顔のそっくりな二人の少年の写真。しかし私にはこの二人に覚えがない。ましてや……。 「(私は一人っ子の筈)」  兄がいたって話は両親から聞いた事はない。従兄弟もいるが、顔がそっくりな従兄弟はいなかった。私は母に聞こうとアルバムを持ってリビングに戻る。 「お母さん」 「ん?なに……っ!」  私が持ってきたアルバムを見て母の顔が強張るのを見て、私は再び首を傾げた。
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