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薄暗い部屋の中に入り、男はテーブルの上に初診料三万円を静かに差し出した。
テーブルの向こう側に座る黒いフードを被った店主は、差し出されお金をスッと引き取り、
「それでは、早速診ましょう」
年季の入ったポラロイドカメラを男に向け、シャッターを押した。
出てきた真っ黒な写真を手に取り、バタバタと振りながら妙な呪文を唱え始める。
店主の格好と店の薄暗さが相まって、『未来を写す』という噂に拍車をかける。
やがてバタバタと降っていた手が止まり、店主は浮かび上がり始めた写真を両手で持ち凝視すると、
「こ、これは……」
声を詰まらせた。
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