念写

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「俺の未来はどうなってます?」 男が尋ねると、 「非常にまずいことになってます」 凝視していた写真を持ち替え、 「あなたは近いうちに人を殺します」 悲痛とも狂気ともとれる顔が現れた写真を男に見せつけた。 「俺が人を殺す?」 男の問いを流すように店主は畳み掛ける。 「その行為を止めるためには……」 店主はテーブルの下を探って、小さな水晶らしき物を取り出した。 テーブルに置かれたそれには値札も付いており、『¥100,000』と書かれている。 「お高いと思われるかもしれませんが、この幸運水晶は……」 店主が喋り終わる前に、 「殺人を止める必要はないよ」 男のナイフが店主の胸を深く貫いた。
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