僕の写真は君の世界

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 数か月後。  カシャッという音ともに、小さな液晶に少し大人びた少女が映し出された。  「お兄さん!綺麗に撮れた?」  「うん、勿論。」  液晶をみせると、少女…彩夏ちゃんは、頬を緩ませて頷いた。  あのあと結局僕が折れ、未だにこの関係は続いている。彩夏ちゃんは怪我をすることが減り、病院にあまり行かなくなった。  まぁその代わり、こうやってプライベートで会う時間が増えているのだけど。  「ねぇお兄さん、今度はなんか動物撮ろう!猫とか鳥とかいないかな?」  「いいけど、難しいよ?」  苦笑しながら、僕もついていく。  きっとこの関係はもう少し続くだろう。それまでは僕の写真が、君の見る世界だ。
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