バケモノ・キングダム

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210X年、地球は人間の上位互換のような宇宙生物に支配されていた。 突如襲来した心技体すべて揃ったバケモノに制圧され、人間はあっけなく支配下に置かれた。 突如というより水面下では増やして生活に紛れ込んでいたと言った方が正しいかもしれない。 道理で独身が多かったわけだ。 先進国の緊急事態宣言や船中八策もむなしく、すでに各国の重要なポジションにいたバケモノも多かった。 日本はというと、 元寇で戦って追い返した鎌倉武士のような日本軍の抵抗も、 強い文明力・知能・サイコキネシスなどの超能力と繁殖能力、再生能力で歯が立たず、人間は次第にバケモノの軍門に下っていった。 髪の毛上部は薄毛でそれ以外はサイのような硬い皮膚で覆われている人間に近い形をしている。男(雄)はかなり大柄。性格は横暴で我儘故、ジャイアンと呼ぶ者もいた。 いう事を聞く者は生かされ、逆らう者はすぐ殺された。 時短した風俗嬢が姿を消した。 食料にされる人間もでき、チンコは切られホタルイカのような食べられ方をした。 性欲に関しても、旺盛で乱暴でバケモノのパソコンで『今』と打とうとすると予測変換でイマラチオとでるらしい。 オカマっぽいタイパブの女に「むしろ、ちんちんがついてたら100点」 といってるのも聞いた人間もいる。 要は普通じゃないってこと。 チンコも人間とは比較にならないほど逞しかった。 世界は好き放題された。 居酒屋で隣のテーブルのポテトを勝手にたべたり、 夜這いなんて当然のように勝手に鍵を開けて入ってくる。 気に入った女がいたら連れ出してわしの女やと他のバケモノに見せびらかす。 読心術にもたけ、全然濡れてないのにイク、イク、イクと棒読みでいった中華系の人間は殺された。 イキそう、イクかも、イク、イッちゃったと順序だててしないといけない。ビクッと反応して。 女もアマゾネス化していった。 飲んだら崩れる女がもてはやされた。 バケモノの女(雌)も無茶苦茶だ。 「仲良くなったらカラオケボックスでHしよう」 とか普通じゃない感覚の持ち主だ。 地球人にはあまりない発想だ。 身体はちっちゃくてロリ系だがぽっちゃりで、顔はキャバ嬢みたいな感じでアンバランスだ。 性欲は強く、イキやすい身体らしい。 狭い日本、あっという間に全国制覇された。 戦後のGHQみたいにバケモノが拠点基地、王宮を作り、小型の空飛ぶ車にのって走り回って遊んでいる。 おれはどうかって? しがない散髪屋の店主だったおれがバケモノに気に入られて、なぜ殺されずに王宮で生かされてるかって? それはたぶん禿げてる頭頂部もカットしてるように、 ちゃんとハサミの音をチョキチョキ鳴らしてるから。 そこに毛がなくても流れでハサミを空中ショーのようにエアーカットしてリズミカルに動かしてるおれの癖が、 バケモノに気に入られたみたいだ。 髪が薄いのは進化の証。 お蔭でバケモノのカット予約で埋まってる。 神様、仏様、バケモノ様である。
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