63人が本棚に入れています
本棚に追加
「どうして僕が、あなたの目に留まったんだろう。あなたから見れば僕なんか、たまたま知人の家にいた、ただの子供でしかなかったのに。
そう考えこんでしまったから、気が進まないように見えたのかもしれない。だってあなたが求めているのは、ありのままの自分を受け入れて、優しく包み込んでくれる大人の男だと思ったから。今のあなたに必要なのは、複雑に絡み合った茨を切り開くことのできる、力強い王子の剣だから」
「それはどういう…?」
ロバートは困惑した。
少年が自分のことを、眠り姫を救出に行く王子だと思っているのなら、ロバートのことはいったい何に見えているのだろう。
「できることなら僕が、呪いを解いてあなたを救い出してあげたい。茨に囚われた、そのお城の中から」
最初のコメントを投稿しよう!