柔道の人々

1/1
17人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ

柔道の人々

最初はメジャーな処で柔道や柔術から語ります。元は同じですが、柔道は競技向けにルールを整え、柔術は絞め関節技が主体です。 私と柔道との出会いは中学の新任教師でした、私は生れつき体格には恵まれていませんが筋肉が自然と付きやすく技術を必要としない運動では圧倒的パフォーマンスを発揮しておりました。 生意気盛りの私は大学柔道部出身の教師に挑戦したのです。彼は軽量級でウェイトは同程度です。組み合うと重心を崩され危ない場面も在りましたが、なんとか引分けました。 パワー的に私が凌駕していた為と思われます。彼は悔しそうでした。それは、私が腕相撲でも彼を敗北させていましたから... 柔道なんて楽勝♪と、私は侮り、高校生になると体操部と他の格闘系部の熱心な誘いを断り柔道部に入ってみました。一応進学校ですから上下関係は緩く、私は、県下でも有数の強さを誇る、中量級の先輩に「本気で良いですよ」と生意気にも乱取りを挑戦しました。彼は優しい性格でしたので「怪我しないようにしてやるよ」と組み合った瞬間に一瞬で捲き込まれ投げられると受身も取れず、先輩は私の頭を片手で保護していたのです。 柔道侮り難し、私は認識を改めました。 路上アスファルトで、あの投げを受けたら深刻なダメージを受けると考えたのです。 しかし、先輩達は「柔道なんてケンカの役には立たないよ」と、自嘲気味に語りました。 私は内心、脅威に感じていました、総合格闘技を柔術が席巻するのは、まだ、先の話です。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!