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早速、僕は教えてもらった病院へ行った。
病室のドアを開けると、思わず息をのんだ。
ベッドの上には、ガリガリにやせられた先生が横たわっておられたから・・・・・・。
僕の目から大粒の涙がこぼれた。
「ごめんね。お返事を出せなくて……。もうペンもにぎれなくて……」
先生がやせこけた右手をあげて指された方を見ると、窓の下に小さな本棚があり、僕の本がいっぱいつまっていた。
その一週間後、先生は亡くなられた。
お葬式の見送りのとき、お棺の中には多くの花といっしょに僕の本がたくさん入れられた。
うれしかった、先生の大切なものとして僕の本が存在したことが……。
おわり
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