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小さいころ、僕は嘘ばかりついていた。
現実と夢の世界の区別がはっきりしていなかった。
絵本の世界では作り話や嘘ばかりだ。だから、嘘をついて何が悪いんだと思っていた。
あるとき、こんなことがあった。
町一番のお金持ちの家に泥棒が入った。
翌日、このことが学校で話題になった。
「きっと神様が、貧しい人のために、お金を配られたんや」
と僕がいった。
「そんなひどい嘘をつくな」
「泥棒に入られた家が、かわいそうやないか」
とまわりの子たちがいう。
「うそつき」
と僕はいわれるようになった。
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