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思う存分お風呂を堪能し、当然のように自分の部屋へ真志喜を連れて行く。
大人しく付いて来た真志喜をギュッと抱き締めると、洗い立ての香りがした。
堪らずそのふわふわの頭に鼻を押しつけてスンスン嗅ぐ。
真志喜の体を隅から隅まで洗い、お湯に浸かる時は背後から抱きしめて好きなだけギュウギュウさせてもらった。
束の間のひと時を思い出して笑みを浮かべていると、不意に服の裾を引っ張られる。
「ん、どうしたの?」
身を屈め、その柔らかい頬に手をやる。
真志喜はまるで猫のように、その手にすりすりと擦り寄ってきた。
更には身を寄せて耳や首をはむはむと甘噛みしてくる。
うーん…、なんだろう…。
今まで冷たくされていた分のデレが、一気に押し寄せてきている気分だ。
あまりの可愛さにクラリと目眩がする。
正直もう、我慢できそうにない。
ちゃっちゃと布団を敷いて、真志喜をコロンと寝転がらせる。
その上に覆い被さった俺は、啄むような口付けを落とした。
「こうなったら、思う存分甘やかすからね、真志喜」
耳元で囁くと、真志喜の体がふるりと震えた。
なんだかいつもより敏感。
するすると服を脱がして、真志喜を一糸纏わぬ姿にする。
月明かりに淡く照らされた白い肌が美しい。
ついその体に見惚れていると、真志喜の手が伸びて来てかけていた眼鏡が奪われた。
乱暴に畳へ放る真志喜に、迅は苦笑いを浮かべる。
「真志喜はホント、俺の眼鏡嫌いだなぁ」
初めてかけた時とか、散々な言われようだった。
何度も割られて投げられて、それでも懲りずに付け続けていたら、いつの日か何も言わなくなった。
でもまぁ、偶に嫌味なことは言われるんだけど。
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