帰る場所

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クチュクチュと艶かしい水音が部屋に響く。 呼吸を荒げ身を捩る真志喜は、涙ぐんだ瞳で迅を見上げた。 「っ、じ、ん…、迅…っ。も…いいから…っ」 「ほんと?まだ早くない?」 「いいっ…、いいから…!」 すっかり3本もくわえ込んだ後ろから、ゆっくりと指を抜かれる。 それだけで中がキュッと締まり、次に来る快感への期待から体が疼いた。 なんだか俺だけが余裕なくて。 こんな自分に羞恥心を覚える。 「…真志喜」 「っ、…?」 少しトーンの落ちた声を不思議に思う。 どうしたのかと顔を上げると、此方を見下ろす迅が不安そうな瞳をしていた。 「…お願い。俺のことだけ、考えてて」 「…っ!」 まるで駄々を捏ねる子供のように、迅はキュッと眉を寄せる。 なんだよ、それ。 ガキじゃねぇんだから。 幼稚ともいえる独占欲を見せる迅に、自然と口元が緩んだ。 そっか、コイツも同じなんだ。 俺と同じように、不格好になろうがなんだろうが、ただただ必死に求めてくれている。 俺は迅にとって、必要な人間なんだな…。 そう考えると、胸が熱くなった。 スッと両手を広げる。 目を見開いた迅に、真志喜はふわりと微笑んだ。 「きて…、迅」 息を吸うのが聞こえる。 それから両手で顔を覆った迅は、暫くピクリとも動かなかった。 いい加減声をかけようかと思ったところで、指の隙間から此方を見つめてくる。 「………真志喜のえっち」 「…ッブハ」 「えっち」って、なんだよそれ。 ケタケタ笑っていると、迅が服を脱ぎ去った。 ああ、やっとだ。 やっと、迅と繋がれる。
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