瞬風歌~会えない君に送る歌~

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健一とあたしは幼馴染みで小さい頃から一緒に七夕を過ごしてきた。家も隣だったし、家族ぐるみで仲が良かった。 イベントになればどちらかの家にみんなで集まってホームパーティのようなことだってしていた。 七夕だけはあたしと健一だけのイベントで、二人でどちらかの部屋にいってはお願い事を笹の葉につるした。 お願い事は毎年秘密にしてきてたのに、いつのときか健一が照れ臭そうに、「ヨツバと付き合いたい」と口に出して、七夕の短冊をあたしに見せてきたことがあった。 あたしも次第に意識していて、健一を好きになっていたから、その時あたしはハイと答えた。 その時健一は無邪気に、「七夕ってスゲーな!」と喜んでいたのを今でもはっきり覚えている。 それからも毎年毎年七夕がやってきては一緒にお願い事をする。あたしたちにとっては大事なイベントだった。
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