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看護師
「…?」
不思議そうな顔で見つめられて…
僕は再びゲージの中の
ハスキー犬に視線を向ける。
僕
ウミヅカワタル
海塚 弥
「い、いま…喋ったよな…?」
ハスキー犬
「ワウゥ?ワンッワンッ!」
聞き間違え…かなぁ?
僕
ウミヅカワタル
海塚 弥
「うん、もう少しの辛抱(しんぼう)だ
3ヶ月ちゃんと入院すれば…
僕の家に一旦、連れて帰れる。
いいかい?コジロウ…」
思い付いたテキトーな
名前を口に出してから
しゃがんでた僕は立ち上がったんだけど…
ハスキー犬
ヘイル
「誰がコジロウだ、ボケ…
俺様の名前はヘイル!
次にテキトーな
名前で呼んだらぶち殺す…グルルッ!」
僕
ウミヅカワタル
海塚 弥
「だッ、は…き、聞き間違えじゃ…ないッ?!」
看護師
「あの、海塚さん…今、ぶち殺すって…」
僕は驚いた顔で振り向く!
僕
ウミヅカワタル
海塚 弥
「ち、違う…今のは僕じゃない!
僕じゃないんですッ!」
僕は恐怖のあまり病院から飛び出して…
無我夢中で、走っていた!
気づくと、噴水公園にいて…
ベンチに腰かけながら深呼吸する。
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