犬ふんじゃった

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 ある日曜日の午後に私は、愛犬であるブルドッグのマルキーをふんでしまった。  ふんでしまったといっても、しっぽだ。  その瞬間、 「何すんのじゃー、われー」  私は空耳かとうたがった。その部屋には私と犬しかいなかったから……。 「コラ、どこ見てんねん、こっちや、こっち、あやまらんかい」  マルキーの口がせわしなく動いている。マルキーがしゃべっているのだ。  そんなわけない。  私は、ほっぺたをつねっていた。  痛い!
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