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「はい、今日からみんなの仲間になる子を紹介しま~す!みんな、仲良くしてあげてね!それじゃあ、黒板に名前を書いてくれる?」
明るい先生だな、仲良くなれそう!
そうそう、名前は偽名だ。
こちらの種族の名前に合わせて博士がつけてくれた。
「我ながらこれはいい。かわいい名前だ!」と博士が自画自賛していたっけ。
文字はたくさん練習して完璧に覚えたはずだけど、体のサイズがいつもと違うせいか、書きにくくて手が震える。
それとも、大勢に見られて、緊張しているせいかな?
ようやく書き終えて、わたしはみんなの方に向き直った。
「えっと、はじめまして! これから色々と迷惑をかけるかもしれませんが、皆さんよろしくお願いします!」
「よろしくね~!」「(カワイイじゃん)」「(オレ、結構好み~)」
みんなの好意的な声が聞こえてくる。
よかった、うまくやっていけそう。
そしてお昼休みがやってきた。
「わあ、あなたのお弁当、とってもおいしそうだね!」
「うん、ハカ、じゃなくてお母さんが作ってくれたの! ひとくち食べる?」
博士が早起きして作ってくれたお弁当は、カラフルでカワイイ、味もオイシイと大好評だった。
「でも、もらっちゃってほんとに良かったの? だってお弁当それだけで足りる? わたしなんて、あなたの2倍くらいのお弁当箱だよ~」
「あ、うん、わたしね、今ダイエットしているんだ」
「も~全然太ってないぢゃん☆」
女の子たちに囲まれて、キャイキャイ言いながら一緒にランチ。
ずっと憧れていた夢のような光景。
わたしはしみじみと幸せを噛み締めていた。
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