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この3人がブロッサムズと呼ばれるようになったのは、3人とも花にまつわる名前を持っていたから。
今を盛りと咲き誇る花束に似た3人組は通るだけで香るような存在、まさにブロッサムズだった。
「?」
人垣の中から視線を感じてをそちらを見ると、華音の視界から視線の主がスッと人垣の奥に消えていくのが見えた。
「ねぇ、あの人って先週華音ちゃんにコクって玉砕した彼じゃない?」
菫が笑いのこもった声で囁いた。
「そう、だったかな? 覚えていないわ。コクって来る人は沢山いるし」
ふった相手の顔などいちいち覚えているわけもない。
「華音ちゃんたらピュアなふりして実は小悪魔よね」
「そうかしら?」
「あの彼って華音ちゃんに交際を断られたら『じゃあ、お友達からお願いします』って食い下がったのよね、確か」
「ああ、そんなこともあったかもね」
「そしたら華音ちゃんが『わたしは運命の王子さまを探してるんで適当なお付き合いは出来ないんです、ごめんなさい』って更に断っちゃったわけ」
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