-19才-

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「だって仕方ないじゃない」 「男ってバカだから、それを聞いて『なんて華音さんは心がキレイなんだろう』って感激して惚れ直しちゃったりして」 「付き合う気もない相手を構っても仕方ないと思っただけよ」 「なんかズルいわよね、華音ちゃんって」 「そうかしら、そんなつもりじゃなかったけど」 仮にそうだったとしても、華音には関係のないことだ。 外野が何と思おうと興味ない。 華音にとっての男性とは、華音の眼鏡に(かな)う候補のみがその存在を認められるのであって、後は全員モブキャラみたいなものだ。 「実は策士だったりして」 「別にわたしは思った通りを言っただけだもの。策なんて難しいのはわかんないし」 華音は自身の幻想と夢を守っているだけ、ただそれだけなのだ。 策と言われればそうなのかもしれないが、可愛いことや、素直で性格がいいのは生来のもので、それを生かして何が悪いというのだろう。 絵が上手い人が画家になったり、運動能力に優れた人がスポーツ選手になるのと同じだと華音は思う。
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