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政治力がある親を持っているのは芹香。
遠目から見たら美少年にも見えるスレンダーな長身にショートカットが映える。
切れ長な目元が涼し気な顔立ちだが、不思議と中性的な色気がある。
クールな魅力に悩殺される女子多数だ。
基本的に周りには無関心で口数が少ないタイプ。
東京の音大を受けたが滑ってしまって仕方なく地元の音大に通っている。
一番おっとりして見えるのが、華音。
可愛い路線のおかげで男子ウケも一番いい。
いかにも、なお嬢様ファッションに加え、ブランド品で武装していないところが、他の2人ほどのハードルの高さを感じさせずお手頃感があるのだろう。
3人の中での告白されランキングならぶっちぎりの第一位だ。
芹香と同じく現状には不満を抱えているが、事情は異なる。
高校時代から都内の音大を目指していたが、志望校を決める段階になって状況が変わった。
親の経営する会社の主要な取引先が倒産し、売り上げが激減したのだ。
私立の音大の費用は4年間で1000万近くする大学も少なくない。
経済的な先行きが不透明になったその時、東京で一人暮らしをさせる費用までは出せないと両親は決断したのだ。
姉、涼音の学費もまだかかっていることを考えれば、無理からぬことではある。
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