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電話を終え、澪は蒼大に静かに言った。
「ね、抱いてくれる?」
「いいぜ」
蒼大は長い腕で、澪をそっと抱きしめた。
「蒼大、あったかいね」
緩やかに、時が流れる。
やがて身じろぎして、澪が離れた。
そして、もう一度言った。
「抱いて、蒼大」
それはさっき、やったけど?
蒼大は、きっと澪は不安で何度でも抱いて欲しいに違いない、と今一度彼を腕の中で温めた。
「あの、さ」
「ぅん?」
「今度は……、あっちで抱いてくれる?」
そう言う澪に連れて行かれた場所は、寝室だった。
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