クチナワサマによろしく【差分】

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 澪は、知っていた。  この、不良に片足突っ込んでいるような高校2年生が、実はあったかい心を持っていることを。  クラスでいじめが発生した時、陰で主犯格の生徒をシメた。  雨の日に捨て猫が濡れて鳴いているところを、こっそり家に連れて帰った。  貧しくて昼ご飯が食べられないクラスメートに、おむすびを作ってきてやった。 「何で、そんなことまで知ってるんだよ……」 「情報通の僕を、侮らないでね♡」  それで返事なんだけど、と澪は探るような視線をよこした。 「OK、してくれるよね?」 「解った。付き合おうぜ」
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