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人気のテーマパークへ出かけ、新しいアトラクションに二人は並んだ。
二時間待ちの、長蛇の列だ。
30分で、蒼大は音を上げた。
「なぁ、他のもっと人の少ないアトラクションに移動しようぜ」
「もう少しだから! きっと、待つ甲斐あるから! 絶対、面白いから!」
蒼大を退屈させまいと、澪はいつもの3倍お喋りになった。
流行の音楽、話題の映画、最新のゲーム。
「な、澪。俺の聞きたい話、喋ってくれるか?」
「いいよ。何なに?」
お前のことが、知りたい。
「実家はどこか、小さい頃に何して遊んでたか、なぜ県外からうちの学校を選んだのか、とかさ」
そういう、お前のことは、俺なんにも知らないから。
それには、澪はとたんに口ごもった。
「周りに人がいるから、ちょっとイヤだな……」
列がわずかに進み、この話題はここまでになった。
澪はやはり、トレンドについて喋るだけだった。
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