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「あれ? どうしたんだろ」
「誰からだ?」
「母さん。滅多に電話なんかして来ないのに」
ごめんね、と澪は蒼大から少し離れた。
電話は、数秒で終わってしまった。
そして、蒼大の元へ戻ってきた時、澪は真っ青な顔をしていた。
「どうかしたのか?」
「え。ううん、何でもない」
だけど。
「ごめん。今日は、これで帰るね」
じゃあ、と走り去ってゆく澪。
その後ろ姿に、蒼大は胸騒ぎを覚えた。
実家に、不幸でもあったのか?
そんなことを考え、放っておくこともできずに澪の後を追った。
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