01.escape

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どうせ、追いつけやしない。追いつけや…。 そんなことを思ったところで、心臓は爆音を鳴らして妨害行為をしてくる。虚ろな目になり、走ることに夢中になってしまう。 そのため、視界が狭まっていることには全く気がつかなかった。 「おい!いたぞ!」 「くそっ」 横の路地裏からぬっと飛び出てきたのは、真っ白なコートに身を包んだいかにも胡散臭い連中。 警察?宗教団体?そんなものだったら、とっくにこの国から飛んで、行方を晦ましてる。 つまり、連中は『(くら)ましても意味が無い奴ら』ということになる。 俺にとっての脅威だ。
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