僕とバケモノと_

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僕の人生で最も古い記憶は、バケモノの記憶だ。 バケモノは公園にいた。僕がいつもいた公園に、バケモノもずっといた。その公園はとても小さくて、木や花や雑草が沢山生えていて、鉄棒と網の掛けられた砂場くらいしかなくて、だから他に人が来る事も無かった。 バケモノが他の人にも見えたかどうかは分からない。誰にも見せた事が無かったから。僕にバケモノが見える事すら、誰も知らなかった。遊び相手を失うのが嫌で、僕も隠し続けていた。
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