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何気ない晴れの日、僕はバケモノを殺してしまった。
僕は立っていて、バケモノは倒れていた。公園にはずっと、誰もいなかった。
バケモノが小さくなっていた事には、前々からなんとなく気づいていた。でもこんなに弱くなっていたなんて知らなくて。僕は少し泣いていた。
視界がぼやけてまた戻る頃、不思議な事に、僕は表面も中身もすっかり洗い流された心地になっていた。僕の体は汚れたままだったが、お風呂に入った時とはまた違った清潔感を感じて、目の前の現実すら違って見える様になっていた。
本当は既に、僕は殺してしまった友達がバケモノでない事と、本当のバケモノの居場所とを知っていた。この間知った。泣いて、目が覚めた。
僕は公園から出て、久しぶりに家へ帰った。家ではバケモノが大口を開けて待っていた。
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