1 真澄

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1 真澄

 ――私の目覚ましのタイマーは毎朝四時にセットしてある。    日の出とともに生活する習慣がついているのか? そんなことは決してない。ついでにいうと日の入りとともに寝るわけでもない。ならばブラック企業に努めているが故、早朝から深夜まで休憩も食事をする時間も与えられず、馬車馬のように働かされているのかといえば、それも違う。    ――じゃあ何故か。    全ては愛のためだ。そう言い切ってしまえば聞こえがいいが、幼馴染の琉一(りゅういち)に弁当を届けるために早起きをしている。ただそれだけ。
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