僕のおばあちゃん

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僕はおばあちゃんが好きだ。 好きと言っても彼女とかの好きではない。 でも家族より、身内の誰よりもおばあちゃんが好きだ。 いわゆるおばあちゃん子だ。 そんな大好きなおばあちゃんが先日亡くなった。 たしかに、お母さんからはもう長くはないと聞いていたが、まさかこんなすぐだとは思わなかった。 今日は学校のある日で普通の平日だが僕は休んだ。 葬式は身内のみで行い、その夜は外食をして、家に帰った。 お風呂につかり今までのことを思い返す。 意外と涙は出なかった。 でも、なんだか寂しかった、心の一部のなにかが口から抜けるように口がしばらく閉じなかった。 気づけば30分、ずっと浸かっていた。 重くなった体を何んとか浴槽から出し、体をふき、髪を乾かし歯を磨く。 何も考えずボーっとしたままベットに入る。 そして目を閉じる。 朝、少し早く起きてしまったのかま外が暗い。 枕は一面濡れており、二度寝することなく目が覚めた。 そういえばと何か思いついたようにクローゼットの中をあさり、取り出す。 お守り、しかもよく売っているお守りではなく、おばあちゃんのお手製お守りだ。 僕のおばあちゃんはとても怖いがそれ以上に優しい。 他人に厳しく自分にも厳しい、誰よりも負けず嫌いなおばあちゃんだ。 よく怒っていたせいか、眉間にしわが寄りたまに普通に話してるのか怒ってるのかわからない時がある。 でも、よく怒るけど僕が何か達成したときは、誰よりも喜んで、その時の笑顔はいつになっても忘れることはできない。 眉間にしわの寄ってない僕が一番好きな顔。 そしておばあちゃんが作る手料理、特に煮つけはおいしかったな。 あれがもう食べられないのは残念だ。 このお守りをくれた時も作ってくれったっけな。 何の前触れもなくくれたお守り、大きなお守り、鞄には付けられないからとりあえずしまっておいた。 赤い糸ででかでかと僕の名前を縫ってある。 たぶん僕がおばあちゃんを好きなのは笑顔だけじゃなく、お守りとか料理とか僕にはまだできないことを他にもたくさんできるという尊敬などがあるのだろう。 でも一回だけおばあちゃんを嫌いになったことがある。 僕がいろいろ失敗して何も考えたくないくらい嫌なとき、おばあちゃんが話しかけて元気づけようとしたのにそれにあたってしまっておばあちゃんに少しけがをさせてしまった。 次の日、僕はなんて謝るか考えながらおばあちゃんちに行く。 するとおばあちゃんは何も変わらずいつものように接してくれた。 でも手には絆創膏が何枚も、それを見た僕は泣き崩れた。 おばあちゃんは抱き寄せ「大丈夫だから」とただその一言。 とても優しくて強い僕の好きなおばあちゃん。 いままでありがとう。 そしてこれからも見守ってて、そう考えているといつもの起きる時間になった。 クローゼットを閉じ、制服に着替えようとした時 「大丈夫」 ふとどこからか聞こえた気がした。 お守りを鞄にしまい、今日もいつものように学校に行く。
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