第1章:相談屋という生き方

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依頼人の相談内容は様々である。 "職場の愚痴を聞いてほしい"とか "手料理を食べて感想を教えてほしい"とか "好きな人に告白するにはどうするか"等 …etcである。 そんな商売に需要があるのかと 思うかもしれないが 依頼のダイレクトメールは 毎日山の様に届く。 なぜならば 現代社会を生きる人間は みんな孤独だからである。 家族や友人が居たとしても 皆それぞれの立場や関係性がある。 職場仲間に上司の悪口を言えば そこから話した内容が拡散する恐れもあるし SNSなら炎上する可能性がある。 それ以前に自分の生活が手一杯で 人の悩みなんか聞く余裕の無い人間だって 大勢いる。 "第3者に自分の相談を聞いて貰える" そこに圭が社会から必要とされる 理由があった。
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