サララとサラサ 第２部

ひらめき

元の居場所に戻ったサララとサラサは落ち着きを取り戻しつつあった。
しかし身体は心の違和感をすぐには受け入れてくれない。
それに記憶もまだ殆ど戻ってないので生活のぎこちなさは常にあった。

ともかく魂だか心かが入れ替わってしまったのは、どうあがいても事実で2人共それは認めざる得なし、頭の引き出しの中にある記憶が失われたのか、それとも引き出しが開かなくなってしまったのか、それを知るすべはなかった。

二人は記憶を取り戻すためにお互いのヘアースタイルを入れ換えてまでして本来の生活を始めたのだ。

しかし2人はあれ以来何ひとつ記憶が戻る事はなかったが、チョットしたひらめきのようなものはあった。
不思議と鏡を見ている時にそれは起きた。

サララはお風呂で髪を洗い鏡を見た時だし、サラサは夜の歯磨きをしている時に洗面台の鏡を見ている時だった。時間もほぼ同じ頃のようだった。