4人が本棚に入れています
本棚に追加
結局、スタジオからの略取誘拐は証拠がなく幸谷も山道でサララと出会い救出したこと以外すべて否認した。ただ救出した際ただちに病院に運ばなかったのを問われたが幸谷は救急車での救出が早く手当できると思ったと述べた。
いずれにしても警察と救急に連絡したのは減刑対象になったようだが検察は実刑5年の求刑をした。
裁判所から帰るとサララは気を失った時の事を話した。
「あの時見たのは間違いなくわたしだった。
でも...何をしたかは凄く言い難いし訳分かんないんだけど...
あのね、わたし...
ビルの屋上から飛び降りたんだよ。
だからあの映像が本当だったらわたしは撮影スタジオから誘拐されたんじゃなくて飛び降りたんだよ。
理由はわからないけど...
それにTシャツ、短パン、キャップの撮影中の夏ファッションだった。
だからひょっとしたらビルから飛び降りた時なにかが起こり山道にワープして、おまけにわたし達の入れ替わりが起こった...
わたしはバスの中のサラサに...
サラサは山道のわたしに...」
サララは頬杖をつきながら目を丸くして言った。
「と言う事は、サラサにも何かが起こった可能性があるよね。」
桜子が言うと、
「あっ!」
サラサは声を上げた。
「以前、桜子が話してくれた夢の出来事と似てるよね。
と言う事は...
わたしが...撃たれるの?!
そしてサララと入れ替わる...
それに...わたし達...死ぬの...」
サラサは怪訝な顔でつぶやいた。
「サラサ、わたしあの風景を見たのは2回目なの。
前にグラビア撮りの時に見た光景には桜子ちゃんもいたし、それに顔は分かんなかったけどピストルで撃たれる女性も見たの。
でも本当にサラサなのかなぁ...
ビルから飛び降りたのはわたしで間違いないと思うけど...」
サララは二人を見て呟くように言った。
最初のコメントを投稿しよう!