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結果
DNAの検査結果がどんなものであっても何も変わらないし変える事もない。
ただ真実のみを受け入れようと二人は決めていた。
それから何度か3人で会って裁判や夢の話やこれからの事を話して過ごした。
検体を送って3週間頃になると、桜子は今か今かと待ちわびて会社から帰ると緊張しながらポストを覗いていたが送られて来る気配はなかった。
そして気持ちが緩んだ頃、ぽつんとポストに置いてある封筒を見つけた。
すぐに2人に連絡すると光の速さで桜子の所へやって来た。
サラサはバッグからペーパーナイフを取り出し、
「家から持って来たよ。
これで封を切りたくて。
一番かっこいいの。
持ち手も機能性溢れてて、何と言っても刃の曲線が素晴らしいでしょ!」
目を輝かせてナイフを回し見た。
サラサは”シュリ、シュリ、シュリ”と音を響かせて封筒の端からナイフを滑らせた。そして全開になった封筒の口に指を入れてテーブルの上へ裏面にした紙を引き出すと3人は顔を見合わせた。
「いい...ひっくり返すよ!」
サラサは紙を表にした。
その瞬間サララは気を失った。
サラサは茫然自失で結果表の数字をただただ見つめたままだった。
100%
一卵性双生児だった。
桜子はサララを抱きしめて名前を呼んだがすぐには反応しなかった。
サラサは鑑定書をじっくり読みながら薄笑いを浮かべた。
「サララ...何ねてんの?
起きなきゃ、ホラ。
これからが大変だよ。
真実なんだから受け入れて生きてかなきゃ。
サララ...」
サラサはサララの肩を抱きしめながらそう言うと涙が頬を伝った。
「これからどうするつもり?」
桜子が尋ねた。
「どうもしないよ。今まで通り。
...だけどわたし達に一体何が起こったのか。
どちらかの両親が赤ん坊を捨てた?預けた?
それは絶対にありえないし...
でもわたし達の生みの親は絶対いるはずだし...
それに桜子ちゃんが見た夢の話もあるし...
その真実は知らなきゃ。
もし本当の事が分かって信じられないような結果だとしても、わたし達の両親は間違いなく今の両親だし、それは絶対的なものだよ。」
サラサは自分に言い聞かせるように言った。
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