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二人はテーブルに置かれた紙を顔を寄せ合って暫く見つめていた。
「かあさん、これは一体どう言う意味なんだ?
ミヤと誰が姉妹って事なのか?」
「何言ってんの。
その礼儀知らずの芸能人とうちのミヤが双子の姉妹だなんて...
ほんと笑っちゃうわ。
どんなに顔や体型が似てるって言っても私は絶対認めない。
こんなデタラメな紙一枚で!
あなた何が欲しいの?
うちの財産目当て?
冗談じゃないわよ。」
母親がまくし立てた。
「お母さま!どうしてそんな事言うんです!
わたしはお父さまの事もお母様の事もこれから好きになりたいって思っているのに...デタラメ?財産?そんな酷い事を子供にどうして言えるんですか!」
サララは泣きながら叫んでいた。
「あの〜奥様、チョット...
一言だけ宜しいでしょうか...
お嬢様お二人は凄く悩んでおられます。
そのお悩みを解決出来るのはご両親しかおいでになりません。私にとって大切な友人の願いをどうかお聞き届け頂けないでしょうか?」
桜子はゆっくりと頭を下げた。
「部外者は黙ってて、あなたは単にうちの社員…」
「かあさん…サララさんや悠木君の言う通りかもしれんな。
この娘らが本当の姉妹だとしても、それとは関係なくミヤはもう十分大人になったし、いずれ話さなければならない事だ。」
父親は静かに答えた。
「お父さまお母さま、うちの両親にもこの事は先日話しました。もちろん随分と驚いていましたがちゃんと真実を話してくれました。どうかわたし達に話して下さいませんか。」
サララは落ち着きを取り戻して静かな口調で言った。
「簡単な事よ。
私達に子供が出来ないからこの人が養子をもらって来た。
私には何の相談もなく…
それがミヤ。
ただそれだけ…それだけの事よ。」
「おかあさん、わたし...
事情はもうそれで十分だけど、どうしても知っておきたい事があるの。
わたしはどこの施設にいたのかな...」
サラサは相変わらず小さくなって聞いた。
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