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「お婆ちゃん、また遊びに来ていいかな?
もっとミイさんのお話聞きたいの、いいでしょ。
今日は忙しいからもう行くね。
ご馳走さまでした。」
サララは軽くお辞儀して店を後にした。
それから近くのお寺をロケをしながら回ったが、頭上高く常に丸い雲が付き添っているのをサララ達は気づく事はなかった。
「変わった娘じゃ。
なして自分の事を聞きたがる...
そう言やぁ、初めて来た時も自分の事がよう分からんようやったなぁ、不思議な娘じゃな。」
サララはあのお婆ちゃんの事が気になって仕方がなかったが、次の日(奥の細道を訪ねて)も難なく撮影を終えひとまず東京へ帰った。
サララは皆が集まった時に平泉で出会った食堂のお婆ちゃんの話を突然しだした。
意味不明な事が多かったけれど兎に角サラサは興味が爆発し直ぐにでも行こうと急かしたがサララは仕事が詰まっていて行けそうになかったのでひとまず桜子と二人で平泉へ行ってみる事にした。
お昼前に平泉に着いた二人は直ぐに食堂を見つけて入った。
ちょうどお昼時と重なってお客が多かったけれどサラサは天ぷら定食、桜子は親子丼で腹ごしらえをした。
客が引くのを待って女将さんに尋ねてみた。
「こちらにお婆ちゃんがいらっしゃると思いますが...
今日はいらっしゃいますか?
お会いする事はできませんか?」
サラサはおそるおそる聞いてみた。
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