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「いましたけど、会う事は出来ません...」
女将が怪訝そうな顔で答えた。
「ああ、今日はお留守なんですね。
明日は如何でしょうか?」
「明日も明後日も...ず~っと会えません。
どなたかは知りませんが、
婆ちゃんは亡くなりました。
3年前に...」
「えっ!」
桜子とサラサは顔を見合わせながら女将を見た。
「3日ほど前にTVの撮影クルーがお邪魔したと思うんですが...」
サラサが聞くと厨房から主人が出て来た。
「ああた、ヒョッとしてあの...誰だっけ
タレントの...ほら...かあちゃん...」
「サラランちゃんでしょ...
違った?」
「いえ、わたしはサラランちゃんじゃありません。
先日、ここで食事した筈なんです...
タレントのサララちゃんが来て。
こちらのお婆ちゃんと話した筈なんですが...」
サラサが尋ねた。
「ん~...ああ~、
そうそう来た来た...
思い出した!
ああたじゃないのかい?
3、4年くらい前...だったかね。
あん時は婆ちゃんも健在だった...
そう言や、あのタレントさん...、
立ち寄られて婆ちゃんが失礼な事言って迷惑かけた記憶があんな。」
主人は言った。
「つい最近ではないですか?」
桜子が改めて聞くと、
「ここんとこ芸能人とかTV撮影とか来とらんねえ。」
女将は言った。
サラサと桜子は混乱してサララに連絡してみたけれど繋がらなかった。
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