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裁判長から先程の証人の具合は改善して休んでいる旨の話があった後サラサの尋問が始まった。
サラサは化粧とメガネとウィッグで別人のようになっていた。
「あなたは被告人との面識はありますか?」
「あの峠の茶屋で初めて会いました。」
「どういうキッカケで会いましたか?」
「あの人が声をかけて来たんです。」
「何と言って来たんですか?」
「顔色が悪いから大丈夫かって...
あのぉ~
わたしそれほど被告人との接点はないので言いますが、
ナンパされたと思ってました。それに家に帰ろうと思っていたし気分が悪くてバスに乗りたくなかったのであの人の言葉通りに待ってました。
連絡は店にあり来れなくなったと言う事だったのでバスの時間を調べていたら警察の人に声を掛けられて警察署で経緯を話しました。
ですのでわたしの証言の確定事項は被告人には間違いなくあの茶屋で会ったと言う事を証言します。」
「的確な証言ありがとうございます。
被告人は一人でしたか?」
「女性が一人いたと思います。
キャップを深く被っていたし後ろ姿しか見えなかったので詳しくは分かりませんが一緒に店から出て行ったのは見ました。
その時は何とも思いませんでしたが、この事件を聞いてとても誘拐されていたような雰囲気は感じませんでしたし、まさかあの人がサララ...
さんだったとは夢にも思いませんでした。」
「あなたは被害者のサララさんとはどういうご関係ですか?」
「この事件がキッカケで知り合いました。」
「では最後に、あなたはなぜあの茶屋にいたのか?
それにどこに行こうとしてましたか?」
「はい、バスの車窓から風景を見て隣町に行く予定でしたが、具合が悪くなりバス停で降りたらあの茶屋の前だったので店に入りました。」
「ではたまたまあの茶屋で休んでいたと言う事ですか?」
「はいその通りです。」
「ありがとうございました。
サラサさんの証人尋問は以上です。」
サラサは自分の記憶喪失も言わなかったし、勿論だが姉妹の可能性があることも言わない事にしていた。
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