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その時、轟音が響いた。
突風が吹き抜け、雑居ビルの間から何かが姿を現した。
それはヘリである。
死都タワーの屋上にいたあのヘリが飛んで来たのだ。
「あれは!」
碧依がヘリの操縦席を睨む。
そこには夜奈が乗っていた。
彼は兵士になかなか殺されない雪斗たちに業を煮やし、自らヘリを操縦して姿を現したのだ。
「ガアアアッッ!!!」
夜奈が操縦席から咆哮し、何かのレバーを握った。
すると次の瞬間、ヘリに取り付けられていた機関銃の銃口が、雪斗たちのほうへと向いた。
「逃げろ!!」
とっさに雪斗が知夏仔たちをビルの中へと突き飛ばす。
その刹那、機関銃が火を噴き、銃弾が地面に深い線を刻んだ。
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