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(6)
何かが太陽に反射し、光り輝いているのだ。夜奈は目を大きく開け、その何を見つめた。
それは、宙を飛ぶ1台のバイクだった。
彼の記憶の中にそれが誰のバイクなのかまではインプットされていなかったが、雪斗たちにはそれが誰の《武器》であるか気づいた。
紫憑の武器。それは彼女がいつも乗っていたあのバイクだったのだ。
夜奈の目はそれに乗っているドライバーを見つめる。するとそこには、腰まで伸びた長い瑠璃色の髪をした美少女が乗っていた。
美羽である。
「な、何だ??」
夜奈が言葉を漏らした瞬間、美羽の乗ったバイクがヘリの操縦席の目の前まで飛んで来た。
そして次の瞬間、美羽は素早くバイクから飛び降りると宙を舞った。
夜奈の目の前にバイクが迫って来る。彼は慌ててそれを避けようと操縦桿を握るが、それよりも早くバイクがヘリのガラスを突き破った――。
「ガアアアッッ!!!」
ヘリは一瞬でコントロールを失い、バランスを崩した。そしてそのまま大きく旋回すると、地面に激突した。
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