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◇
「ふうん。白羽家がついに動き出したか」
全身に緑を纏った少女が面倒そうに呟いた。その右耳には萌崎家と直接繋がる、骨伝導イヤホンが付けられている。
「白羽家……。守護者の目的は……敵の、排除?」
「そうだろうね。私たちは街を覆う結界の解除を頼まれたのだから、今回は関わることはないのだろうけれど」
萌崎君がそう判断したのならば、疑う理由もない。
盲信しているわけでもなく、彼の判断の正しさが正確であることの証明でしかない。
「それは今はいいでしょう。これから結界の解除に動くんだけど、何処から行けばいいのかな」
「そうだね。今回はあまり危険性もないし、各個で動いた方がよさそうだ―――それぞれの端末に位置情報は送られているはずだから、私は東、音壊さんは南、断溝さんは北の方へ。白緒は絵美と西の方に向かってほしい」
その提案に、それぞれが了承する。
直後、五人の少女はそれぞれの方向に向かって飛んでいく。
彼女たちもまた、街に関わる異変を解決する役割を担う存在なのだが、一般の人間には知られていない。
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