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【夢うつつ】
そのままでは、寝付けそうも無かったので、こっそり父の書斎の本棚に飾られていたブランデーを拝借した。
頂き物らしいけれど、父は下戸なので、「飾り」として置かれているだけだから、きっとバレない。
カットグラスの綺麗なビンから、琥珀色の液体をグラスに注ぐ。
一気に飲み干すと、カッと胸のあたりが熱くなり、思わずむせそうになるのを、必死で堪える。
こっそりグラスを洗い、証拠隠滅をしてから、自分のベッドに滑り込む。
まだ、ふわふわしているような気がするのは、度数の高いアルコールのせいだけではない。
目を閉じると、試着室でキスをした時の、雅さんの怖いくらいに真剣な、それでいて情欲に満ちた眼差しが思い出された。
思い出すと、アルコールが通った場所とは違う部分が、熱く疼く。
キスのその先は・・・?
以前、修司と、ホテルでアダルトビデオを見たことがあったのを、思い出す。
興味本位で選んだ、レズビアンのビデオだった。
修司は喜んでいたけれど、私は、あまり興味が持てなかった。
修司は、「やっぱり女同士は綺麗だよな」と言っていたけれど、綺麗だとも思えなかった。
若い女性2人で、顔までは、覚えていない。
1人の女性が、男性器の作り物のようなものを付けていて、それで相手の女性を悦ばせていた。
レズビアンのカップルは、あんな風にして、愛し合うものなのだろうか・・・・・・・・・
雅さんも、あんな風に、今までの恋人と?
雅さんの部屋を思い出す。
雅さんの、あのベッドで・・・・・・・・・・
いつしか、その想像の相手は、自分の姿になっていた。
今日買った、黒いランジェリーを身につけた私の肌を、あの手で優しく撫でる雅さん。
顔はいつもの通りクールでも、私を見る目は、試着室で見た情熱的に潤んだ瞳で。
耳元で、「鈴音」と囁かれる。
そう、想像するだけで、体が震えてしまいそうだ。
呼吸が荒くなり、無意識に、自分の耳に手を当て、体をよじる。
パジャマのボタンを一つ外し、胸に手を入れる。
手のひらで、胸の先を優しく転がすと、それが徐々に固くなるのが自分でもわかる。
それを指先でつまんだり、また手のひらで転がしたりを繰り返しながら、腰が揺れ動き始める。
右手を、パジャマのズボンから、ショーツの中に滑り込ませる。
そこは、自分でも驚くほど、ひたひたに濡れていた。
・・・・・・・・・・雅さん・・・・・・・・・
心の中で、名前を呼ぶ。
雅さんに、そこを指で撫でられ、口づけされたら・・・・・・・・
掛け布団の下で、ショーツを引き下ろし、両足を広げ指がほどけかけた蕾を、指先で転がすように動かす。
冷たいような快感が、脳にダイレクトに駆け上がる。
その指は、自分ではなく、雅さんだと思うと切ない声が、漏れそうになり唇を噛みしめる。
声を殺し、指を二本中に沈めて動かす。
この指も、あのほっそらとした短い爪の雅さんの指・・
音が・・・・・・くちゅくちゅという音を、雅さんに聞かれるのだと思うと、恥ずかしさが、興奮へと変化していく。
指が、男性器をかたどった「あれ」だと。
それで、雅さんにせめられていると思うと、腰が浮いていく。
ああ、どうにかなりそう。
ぐっとせり上がっていく感じに、小刻みにブレーキをかけてみるけれど、その「波」を止めることは出来ない。
あああっ・・・・・・・
シーツを噛みしめながら、体が痙攣するように何度か弾み、静かになる。
快感の余韻は、その「最中」よりも、別の感覚として心地良い・・・・・・・
今までも、何度か、自分で愉しんだ事があったけれど、それはアダルトビデオのシーンだったり、そういう本を思い出しての行為だった。
誰かを具体的に想像したのは、初めて。
それに、いつもより、「イク」のがすごく早かった。
「後始末」をして、再びベッドに横たわりながら、まだ体に残るけだるい心地よさに揺れているようだった。
雅さん、こんな想像をして、ごめんなさい・・・・・・・・・・・・・・・
うっすらと、そう思いながら、私は深い眠りに落ちていった。
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