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死んだ振り
これでジョニーに残されたプランは「死んだ振り(たぬき寝入り)」に限られてしまった。
これは古代から伝わるサバイバル法で誰もが知りうるプランだ。しかしそれが実際に通用するのかは賛否両論だ。その賛否を唱えた一つの例を紹介しよう。それはある日ジョニーが何気なくテレビを見ていた時のことだった…ある報道番組でB級コメンテーターが視聴者へ向けてこのようなことを発言していた、
「野生の熊に死んだ振りは通用しません。それを理解するには皆さんが熊の立場になって考えて見ると分かりやすいでしょう。私たちが普段食べている肉や魚と言うのは食卓へ上がる頃には必ず死んでいます。それらが生きているとしたら、それはまな板の上まででしょう。そしてあなたの奥さんが包丁で一突きすることによってその命が絶たれるわけです。魚の活き造りなどは例外とさせて頂きます。そうそう、話は変わりますが…寿司ざんまいの社長さんとお会い…」
この直後にジョニーの家が停電に襲われた。当然テレビも照明も落ちて部屋中が真っ暗になってしまった。そして数分後には停電が終わったものの再びテレビがついた頃にはB級コメンテーターの話が終わってしまっていた。その続きを聞きたかったジョニーは悔しい気持ちでいっぱいだった。
その悔しい気持ちを生きるか死ぬかの瀬戸際で思い出してしまった…どうやら自分は正気を失っている、これでは良いプランなど見つかりはしない、このように自身を心理分析して見せたジョニー。そして何とか気持ちを切り替えようと冷静に考えてみることにした。
ジョニーはその場で逆立ちとなって「※はっちゃけ…はっちゃけ…」と呪文のようなものを唱え始めていた。この奇妙な行動に「Are you okay?」と熊は首をかしげたのであった。
※これはジョニーがひらめきを必要とするときにとる行動です。
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