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ひらめいた!
依然として逆立ちのジョニーは考えていた。
確かに熊を相手に死んだ振りが通用するとは思えない。もしこの熊が冬眠から覚めたばかりだったとしたら、生死を問わずにこの私を食べてしまうだろう。果たして目の前にいる熊はどっちなんだ?
逆立ちのジョニーは目の前の熊をジッと観察し始めた…「この熊は明らかに美食家を気取っている。その証拠にどこから用意したのか北欧製のテーブルにナイフとフォークをきちんと並べている。きっとマナー教室などに足蹴もなく通っているのだろう。間違いない、この熊は明らかに美食家だ。この私を活き作りとして食べるつもりだ。ならば死んだ振りが通用するかも知れない…後はどうやって熊を欺くか?」
ジョニーは逆立ちのまま腕を組むと少しずつ確かな考えが浮かんでいった。
「死んだ振りが中途半端だから熊に通用しない…そうなると徹底的に死んだ振りをすれば熊に通用するかも知れない…そうだ!とにかくやってみよう!」
かくして「徹底的に死んだ振りをする」と言うことをジョニーはひらめいたのだった。
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