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「…得体の知れない俺がいない方が戦いやすいだろ、アンタ達も」
つい強がって語気が荒くなる。
「…あ?何勘違いしてんだ?」
その言葉に思わず振り返る。
「…お前は確かに怪人を倒しちまった。それを有耶無耶にして逃げるのは許さねぇ。それにな…お前がどんな過去を抱えてるか知らねぇが…」
「仮面ライダー、ナメんじゃねえぞ…」
あの時と同じ言葉。
だが、意味は全く異なる言葉。
「……ごめん、なさい」
頬を伝う涙を拭い、俺は謝るのだった。
「…ホラよ」
投げ渡されるナニか…。
それは猿渡一海が変身に使っていた力とそれとは別の、龍が描かれた類似物だった。
「せっかくパワーアップしたんだ、活かせよ…その力」
そう言うと、突っ立っている俺を残して猿渡一海は部屋へと戻っていった。
ぼんやりとその背を見つめる中。
2つの力は、混ざり合い…ひとつの宝石に変わった。
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