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「万丈さん!」
いおりん先輩も倒れ伏した万丈に駆け寄ろうとするが、すぐさま止める。
「戦えないなら出てきちゃダメだろ!」
「っ…!」
全く、一般人なのにその勇敢さ。
さすがやっくんの先輩だけあるな。
「…いいか?俺が合図したら万丈を…しんどいかもしれねーけど抱えてくれ。あとは俺が何とかする…!」
『チェーンジ!仮面ライダー!デルタ!』
青白い光と共に俺は黒衣の戦士へと変身する。
「スリーエイトトゥーワン…」
『Jet Sliger. Come Closer.…』
現れた巨大な重兵器。
それは俺の意思とシンクロするかのように砲塔を顕にし…
弾幕というのも生易しいミサイルの嵐を郷原に叩き込んだ。
「今だ…!」
土埃の中、いおりん先輩が万丈を抱きすくめる。
その背を引っ掴んで、座席に放り込むとそのまま俺達は弾幕の牽制の中、戦場を後にした。
ーーーーーーーーー
「これが最後の祭だぁああああ!」
放たれようとした一撃。
だが、突如氷結した道紀の身体が輝き、新たな姿が顕現する。
『チェーンジ!仮面ライダーBLACK!RX!』
『ぐっ…おおおおおおお!』
やつが新たな姿となり放った蹴りは、容赦なく俺を天高く吹っ飛ばした。
ーーーーーーーーー
「っ!このっ…!退きなさい!」
「邪魔すんじゃないわよ!」
もう動くことの無い傀儡と化した人々。だが、緩慢に動きを止めるためにかけたゲーム病は進行する。
「このままじゃ…!」
緩やかに増えていくノイズ。
助けようとしてやった事が、このままでは…。
絶望的な状況の中、鋏の名を冠した女は舞い踊る。
「ほらほらァ!どうしたの!?早くしないと死んじゃうy…」
活き活きとした声色が突然止まる。
「…ぁああああああ!」
近づいてくる声。
そして…
隕石が落ちてきたかのような衝撃に、私も零も、御多分に漏れず女も大きく後退する。
そこに居たのは。
「猿渡…一海…?」
「あのライダーはさっきの少年でしょうか…?」
こちらをそっちのけで殴り合う、2人の仮面ライダーだった。
が
邪魔をされて黙っていないのは敵の方だった。
「君達…!邪魔しな…」
「「お前が邪魔だ!」」
振り抜かれた氷と閃光の拳。
それに終わらず、標的を変えたように少年が変身したらしいライダーが光の剣を抜き…
「俺の邪魔をするなら…お前も殺す…!」
まさに一閃。
刺し貫かれた箇所から大粒の火花を散らし
「そん…な…!」
敵は黒い霧となり爆散した。
「…邪魔が入った」
「あぁ…決着をつけよう…」
「「上等だぁああああああ!」」
またも開かれようとする戦端。
が、私達が黙っている訳もなく
「「いい加減にしろっ!」」
『スキャニングチャージ!』
『タドル…!クリティカルスラァーーッシュ!』
放たれた二閃が2人のライダーを吹っ飛ばした。
「「…っあ!」」
相当お互い疲弊していたのか、かなり手加減したつもりが2人とも昏倒してしまった。
「…これどう見てもオーバーキルよね」
「やり過ぎたとは思いますね…」
結果、私が起きるまで2人の監視。零は無力化した群衆の対応に追われることとなった。
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