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ーーーーーーーーー 「…っ!」 「う…!」 束の間意識が飛んでいたらしい。 覚醒した幻徳()と真由という少女が目を開けると…。 「…(真由)にも、仲間(幻徳)にも…手ぇ出すな…!」 フラフラになりながらも攻撃を耐え切った、神崎の姿があった。 「恐るべきタフさだな…君は」 「当たり前だろ…家族と大切なヤツらの為なら俺ぁ命張るのも(いと)わねえぞ…」 その言葉に弾かれたような感覚を覚え、咄嗟に伊能(ブラッド)へと走り出し… 「あいよ…!っとにしんどいなぁオイ!」 一瞬で意図を理解した神崎が次の攻撃の前にブラッドへ組み付く。 『クラックアップフィニッシュ!』 放たれたのは(あぎと)を模したオーラを纏いし蹴り。 だが本命はそこでは無い。 蹴りは奴の右手を捉え、それを軸に身体を捻る。 そして… 「貴様等(きさまら)ァ…!」 ドライバーを(ひっぺ)がし… 「今だ真由!」 「分かったよお兄ちゃん!」 変身が解除される前には既に間合いを詰めた挙句… 超加速し、放たれる蹴りの乱撃。 「ああぁあああああああ!」 直前に投げられていた挑戦(トライアル)のメモリのストッパーを押す。 『Trial!maximum drive!』 それに刻まれたタイムは… 『9.9秒…それが貴方の絶望までのタイムです…!』 『おのれぇええ!』 巨大な爆発。 だが、そこから人型となった伊能(ブラッド)が這い出てくる。 見ればベルトに装着されていたデバイスとトリガーらしきものを手に持っている。 だが起動装置(インターフェース)たるドライバーが無ければ意味の無いものだ。 残滓を残し消えた奴の後を追う気力もなく、俺達はそこにへたり込む。 「「つ、疲れたー…!」」 「いやお前たちのその感想はおかしい」 ツッコみがいのある服のセンスの奴に逆にツッコまれたがまあよしとしよう。
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