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ーーーーーーーーー 「…伊能からはドライバーを奪えた、才賀は撃破できた…郷原からは撤退か…あの筋肉バカ…1人で突っ走りやがって」 勇騎()と戦兎は皆から送られてきた情報を整理していた。 「後はキルバスってヤツだけか…全く行方知れずなのは…」 「あぁ…1番ヤバい(ブラッド族)…エボルトの兄貴だ…」 「一応血の繋がりとかあんのな…」 そんな間抜けた返しをしたその直後… 「「!?」」 爆発音が響き渡り、少し離れたビルが倒壊し始める。 「…あそこか!」 「奴はエボルトですら破滅型の快楽主義者呼ばわりするレベルだ…早くしないと…!」 ーーーーーーーーー 辿り着いた先はまさに阿鼻叫喚の地獄絵図。 血のように紅い蜘蛛の化物(ライダー)が街を蹂躙していた。 「キルバス!」 「…桐生戦兎ォ?ぁあそうか…お前は正義の英雄(ヒーロー)だもんなァ…!来るよなぁやっぱり…でもお前には用はないんだよ…万丈龍我ァ出せよォ…!いや、この鬱憤を晴らせるならお前らでもいいかァ…!ファハハハハハ!」 どうも様子がおかしい。初めて相対した時も大概破綻した様相(ふう)だったが、何か別の異様さを感じる。 だが、そんなことは関係ない…! 「…ここでお前を倒す!」「俺達の世界を滅ぼさせやしない!」 『グゥレイト!オールイェイ!』 『Set up!』 『YEAH!イエーイ!YEAH!イエーイ!』 戦兎()の周囲にはまるで子供が夢で描くような未来的工場の様な機械…プラントライドビルダーGNが形成される。 『Are you Ready!?』 「「変身!」」 『完全無欠のボトルヤロー!ビルドジーニアス!スゲーイ!モノッ!スゲーイ!』 『ラーイズアーップ!リベル!ライザー!』 俺は純白のスーツに無数(60本)(フルボトル)を宿したジーニアスフォーム。 勇騎は黒と赤の雷を纏い、白と(くれない)が入り交じった姿(リベルライザー)へと変わる。 「「いくぞ!」」 キルバスから放たれる蜘蛛の巣状の波状攻撃。 それを勇騎は的確に剣で斬り裂き、道を開いてくれる。 出会って間もないのにまるで相棒(ベストマッチ)に出会ったような高揚感。 活路が開き、拳がキルバスに届こうとしたその瞬間 「「ぐぁあああ!」」 赤黒い波動が放たれ、俺達は吹き飛ばされた。 「ビルド…やはり貴様もいたか」 「あーあー…お仲間はボコれたのになぁ…」 その先にいたのは… 「伊能…!郷原…!」 伊能憲剛とゼブラロストスマッシュこと郷原。伊能が変身していないのはゲンさんがドライバーを奪ったから…ならアイツは何をしにきたのか。 「助けてくれェ…!なんて言った覚えはないんだがなァ…!」 「そう言いなさんな…僕らの目的は一応は一緒…やろ?」 郷原が仮面の奥で笑っているのはイヤでも分かる。 「……」 一方伊能はドライバーを奪われたことが未だに腹に据えかねるのか黙ったままだ。 「俺とお前達の目的が同じィ…?ハハハハハハ!冗談はよせよォ!俺が(故郷)を滅ぼす時真っ先に逃げたヤツらがどの口で言うんだァ?」 「「ーーーーーーーーー!!!」」 それは一瞬だった。 キルバスの蜘蛛の足のような爪腕(アーム)が2人を刺し貫く。 「「なっ…!?」」 「お前等は俺の力にだけなっとけばいいんだよォ!ひとつになろうぜェ…!“一緒”なんだからなァ!」 「最悪だ…!」 伊能も 郷原も 今やキルバスの身の一部となり、本当の破壊神(ブラッド族)恐怖(象徴)が…今まさに牙を剥こうとしていた。 「…嘘だろ…同族(仲間)を取り込みやがった」
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