ありえない写真『地獄』

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「もしもし? 大丈夫ですか?」  僕が「えっ?」と目を開けると、そこはJR後九寺(ごくじ)駅のタクシー乗り場の近くだった。  そこに僕は倒れていたのだ。  僕の前にいたのは、見知らぬ青年だった。 「あ、どうも……大丈夫です……」  青年は、ほっとした様子で、 「そうですか……じゃ」  駅の方へ去って行った。 (助かった……蜘蛛(くも)に助けられた……。ありがとう!)  僕は心でつぶやきながら、自宅へと歩き出した。  が、ふと思った。 (ひょっとして……()めされたのかな……神様に……。 だって、あんな所に蜘蛛がいたなんて……ちょっと変だよ……)  ふと見ると、まだ火事はつづいていた。  ――終――
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