13人が本棚に入れています
本棚に追加
「もしもし? 大丈夫ですか?」
僕が「えっ?」と目を開けると、そこはJR後九寺駅のタクシー乗り場の近くだった。
そこに僕は倒れていたのだ。
僕の前にいたのは、見知らぬ青年だった。
「あ、どうも……大丈夫です……」
青年は、ほっとした様子で、
「そうですか……じゃ」
駅の方へ去って行った。
(助かった……蜘蛛に助けられた……。ありがとう!)
僕は心でつぶやきながら、自宅へと歩き出した。
が、ふと思った。
(ひょっとして……試めされたのかな……神様に……。
だって、あんな所に蜘蛛がいたなんて……ちょっと変だよ……)
ふと見ると、まだ火事はつづいていた。
――終――
最初のコメントを投稿しよう!